我流
とある休みの日の早朝、珍しく早起きしてうちの近くのお稲荷さんのそばを通ると、
頭上から「シャッ、シャッ」という音が...。
なんやろう?こんな時間に...と階段を見上げると、武男さんがお稲荷さんの掃除をしていました。
-武男さん、早いですね!?どうして今日は掃除なんか?と聞くと、
「いや、俺は毎週掃除しちょるよ。掃除当番の人もしてくれるけど、うちの近くやから俺がしよる。」
何?毎週?全然知らなかった...。2年もいたのに...。休みの日は早起きすることほとんど無かったし...。
私は気恥ずかしさを隠そうと、-すんません、俺、手伝わないといかんのに仕事やらで忙しくて。
と、かなり苦し紛れの言い訳。
そんな私に武男さんは笑いながら言いました。
「いいとよ。あんたやら若もんには若いもんの仕事がある。こんな事は年寄りのする事じゃから、
そんな事気にするな。出来るもんが出来ることをするだけよ。
それにしても、あんたも鳥居立てを一緒にしてくれたし、本当いいお稲荷さんになったなぁ。」
武男さん、ありがとう。
正直、今の私に休日早起きして地域の掃除を手伝うという甲斐性なんてないです...。
家の前の道路の落ち葉掃きも隣の信子さんやらがしているのを傍観していたし...。
だったら自分に出来ることはやらんといかん、武男さんがそんな気にさせてくれた、甲斐性無しの朝。