2009年8月の記事
朋(とも)遠方より
最近ちらほら、どんな仕事してるの?と聞かれます。
まあ中山間地域で頑張る駐在員といわれても、わかりずらいと言えばわかりづらいですよね。
すごく簡単に書くと、私は県中山間・地域対策室と日之影町地域振興課の併任という形ですので、
日之影町役場の仕事をしつつ、役場の皆様、町民の皆様と一緒に中山間地域対策、地域振興策
を考えたり、県中山間・地域対策室に現場の情報提供をしたりという感じでしょうか。
先週土曜日は日之影町役場地域振興課の仕事をしていたので、その事を御紹介。
(1日の出来事ですが、長くなるのでシリーズ物です。念のため。)
日之影町といえば何を思い浮かべますか?
そう、森林セラピー基地!
いや、結構浸透してきてますよね、知らなかった人はクリック→http://www.hinokage.jp/therapy/
先週土曜日は、日南市北郷の森林セラピーガイドの方々が日之影町の森林セラピー基地に研修
に来てくれたので、それの受入のお手伝いです。
(なお、森林セラピー基地についてもここをクリック→http://forest-therapy.jp/index.php
日南市北郷はじめ、県内の森林セラピースポットなども紹介されています。)
今回歩いたのは日之影町の森林セラピーコースの中の「矢筈岳トロッコ道コース」。
個人的なお勧めコースの一つです。というより全コースお勧めです(^o^)。
まずは出発地点であるゆすなみ峠に集合。レクチャーを受けます。
今回は日之影町森林セラピー基地、癒しの森の案内人をしてくださっている英俊さん、安忠さん、
昭雄さん、令子さん、睦さんの5人の御案内でグループに分かれていざ出発!
の前に、ストレスチェック。
知ってました?唾液に含まれる酵素でストレスの度合いが測れるって。
今回はさすがに日南市北郷の森林セラピーガイドの方々だったので、ストレスのある人があまり
いない...。歩いた後の下がり具合の実証には不向きの方々ですね(^_^;)。
さ、気を取り直して出発です。
道中はこんな感じ。
みんな来てみて
どなたか観光案内所にお電話しました?
まあお電話でも結構ですが、論より証拠、実際に訪問してもらう方がいいでしょう。
という訳で日之影町観光案内所の御紹介。
日之影町観光案内所は国道218号線から日之影町役場方向へと下る坂の途中にあります。
延岡方面から高千穂方面へと車を走らせると青雲橋、道の駅があるのですが、それを過ぎて
すぐ右に曲がり、観音坂という長い坂を下ると川に突き当たりますので、そこを右。
左手に見えてきます。ち(なみに左に行くと見立方面で、英国館や見立渓谷、石垣の村などアリ。)
さて、観光案内所の中はこんな感じ。
竹細工やら木工品、民芸品、陶器やらが並んでいます
いらっしゃーい!と今日は元気な日之影レディー日高みよ子さん、西村桂子さんのお二人がお出迎え。
え?これ食べていきないって?おお、うまそうですね~
手作りで蒸したみょうが団子?へぇ~みょうがの香りがいいですね。これでおいくら?
団子とお茶のセットだけなら150円?街中案内付きで500円ですか。
というよりこのみょうが団子うまーい♪。これだけでも十分に楽しめますね。
時期によりお団子の種類も変わって抹茶も出すんですね。
日之影川のせせらぎを聞きながら縁側でゆったりと。
さて、そろそろ行こうかな...
え?何コレ。幸せのバンブーペアリング?へー上手くできてますね。手作り体験できるって?
竹でペアリングってあんまりないですよね。体験料500円?お手頃ですね~。
何?竹で出来てるだけに、節目節目はあるけれど、二人の絆は、折れにくく柔軟で。
えらい上手いこと言うなぁ~。こりゃもう作らざるを得ない!
ん?裏に何か書いてありますね。
おお~日之影町の誇る現代の名工廣島一夫翁の一言。深いなぁ~。
廣島一夫翁の本とかも置いてあるんですね。
みよ子さんいわく、「中心市街地をなんとかしないといけないと思って始めたとよ。地域のために
みんなが携わって、それぞれに出来ることをやるのが大事やと思う。この場所がみんなの憩いの
場になるように、『こぶり処・日之影町観光案内所』て名前をつけたと。」
(「こぶり」とは、小昼(こびる。おやつとか休憩といった意味あい)がなまったもの。)
なるほど。たくさんの人が来て、この取り組みがいつまでも楽しく続けれらるといいですね。
なかなかの憩いのひととき、ありがとうございましたm(_ _)m。
日之影町観光案内所 0982-87-3765(営業時間午前9時~16時)
憩いの場
さて、今日は日之影町の中心市街地の活性化の取り組みについて。
前に書きましたが、日之影町役場周辺、つまり中央地区もまた人が少ないんです。
商店街があるのですが、閉店していたり、シャッターが閉まっているところが多い。
ここらへんは都市部の商店街も同じですよね。では中央地区で何をするか?
...となるとやっぱり人に歩いてもらわないといけない。
そういう訳で、出来たのがコレ↓。
そうそう笑顔の素敵な日之影レディー♪日高みよ子さん、西村桂子さんのお二人。
ではなく、「ひのおかげ街中MAP」!このマップは中央地区を何とかしようと日之影の淑女方が、
あーでもないこーでもない、ここはこーでしょあーでしょ、あら美味しいわねこのお菓子、みたいな
議論を重ね、手書きで出来上がった力作なのです。
MAPには日之影(雲間の日差し)にちなんで「日のおかげ」というタイトルを使い、
中央地区に残る手堀の防空壕跡や焼酎蔵やら味噌蔵やらを御紹介。
(味噌蔵は私の借家の大家さん所有。おかげで味噌には困らない♪。)
こんなふうに住民同士で話し合って決めて、実行するって、とてもいいことだと思います。
何より熱意が違う。楽しさが違う。継続性が違う。
ちなみに、行政もお手伝いということで県から補助金を出しておりますm(_ _)m。
さらに、せっかく出来たMAPを活用しようと、土日は日之影町観光案内所に二人一組で
常駐し、観光客のおもてなしをしています♪。
私の借家の近くなので、たまに前を通るのですが、地元の人たちの憩いの場にもなっていて、
とても楽しそう。日之影の淑女は元気がいいですよ~。淑女と呼んでいいものか(^^)。
というわけで次回、おもてなしの内容などを詳細に御紹介します。
今すぐにでも日之影観光情報を聞きたい!という方は、
日之影町観光案内所 0982-87-3765(営業時間午前9時~16時)
日之影温泉駅は
運営しています!
いや、今日、役場にお問い合わせがありまして、
「日之影には温泉がありましたよね?鉄道は廃止になったから温泉もなくなったのかしら?」と。
いやいやいやいや、日之影温泉はしっかりと営業を続けております。
営業は午前10時~午後9時まで(受付は午後8時半まで)、
大人 500円(高校生以上)、中学生 400円、小学生 300円、小学生未満 ご自由にどうぞ、
でございます。ただし、毎月第4月曜は定休日。
小さいけれど露天風呂もサウナもあるし、食事も取れるし(個人的には唐揚げが美味いと思う)、
物産販売もしております。
しかも!今後、日之影温泉駅には高千穂鉄道の車両を利用しての宿泊施設、足湯が整備
されてリニューアルします。来春にはオープン予定♪
さあ皆さん、リニューアル前後の日之影温泉駅をお試しください。
【お問い合わせ】 日之影町役場地域振興課 0982-87-3910
やって来て、ふれあう事でわかるもの
8月22日午後4時、彼らはやってきました。
ある者は西から、またある者は南から、渓谷の町日之影町へ。
名も身分も性別も違う彼らは、一つの目的のために集ったのです。
渓谷の町のせせらぎと緑あふれるのどかな風景とは対照的に、
その表情には、これから起こる事への期待と不安の色が。
しかし、その瞳の奥にはやり遂げてみせるという強い意志が。
そうです、彼はやってきました。
その名は...中山間盛り上げ隊!
やる気満々だぞ、中山間盛り上げ隊!(「隊」なので念のため敬礼です。)
という訳で、先週土曜日に日之影町の見立地区でボルダリング(岩のぼり)大会が開催されまして、
見立地区住民でおもてなしと屋台を出すということで、中山間盛り上げ隊にお手伝いに来てもらいま
した。
今回来ていただいたのは廣庭辰朗さん、岩切通さん、新村仁志さん、児玉研一郎さんの隊員4名と
中山間盛り上げ隊事務局のスタッフ6名、計10名。地元住民より多いくらいの大所帯。
さて、盛り上げ隊の方々にはいったん日之影町役場に各自で集合後、役場の車で日之影町の奥
深く、会場である見立地区の仲組小学校跡地へとお連れしました。隊員のみなさん、途中の景色
も良かったでしょ?そこは日之影町の誇る見立渓谷ですから(^_^)v
着いたら屋台を準備して、見立地区の方々と一緒に鳥のもも焼きや生ビールを御提供。
おかげで用意した生ビールやおこわは完売御礼。地元住民の方々とも楽しくおしゃべりを
しながらの共同作業でした。
途中、盛り上げ隊の方々はうずらの炭火焼きを試食し、「骨まで食べられてうまい!」との高評価。
いえいえこの評価は試食させてもらったからということではないようです(^o^)。

と、盛り上げ隊の方々にはほぼ5時間立ちっぱなしの作業にもかかわらず、笑顔でおもてなしを
続けていただき、見立地区住民の方々からも、11月の見立地区紅葉祭りでもぜひ来てくれとお
願いされたほど。
これは盛り上げ隊の働きぶりが見立地区住民の方々に信頼されたという証であり、
今後の見立地区の交流人口の拡大への第1歩だと思います。
また、隊員の方々が共同作業をすることで、隊員同士の横の連携、出会いも生まれそうな期待が。
盛り上げ隊隊員の皆様、事務局の皆様、本当にありがとうございましたm(_ _)m。
ちなみに、イベント終了後に近くのキャンプ場でキャンプをするはずだった廣庭さん、岩切さんは
見立地区の工藤泰美さんの御厚意により、お宅に泊まることに。
泰美さん宅での打ち上げは勿論のこと、翌日は工藤泰美さんと一緒に登山も楽しんだ御様子。
まさに某テレビ番組を地でいく宿泊体験。
さあ、こんな素敵な体験を希望する皆さん、宮崎県HP、中山間ネット事務局ブログを御覧のうえ、
御登録あれ!
遠い近いに関わらず
事務局ブログのとおり、昨日は中山間・地域対策室の意見交換会に行ってきました。
日之影町役場から宮崎市中心部までは、ノンストップで大体2時間半を超すくらい。
うーんこれを近いとみるか遠いとみるか。皆さんはどう思います?
ちなみに熊本市内までは2時間かからないくらいです。
って事はですね、九州のほぼ真ん中にあるわけですよ日之影町をはじめ西臼杵郡。
道州制で九州が一つになったら、各地からのアクセスを考えて、州都は中心に位置する
西臼杵郡あたりになったりして。
お隣の高千穂町は神話発祥の地という由緒もありますし、森に囲まれた雄大な自然の景観を
崩さないように都市を整備すれば、森の都、エコな州都としてのPRも可能。
おお!そうなれば日之影町の過疎化にも歯止めがかかるかも...。
と、それはさておき、今は宮崎市から2時間半かかる日之影町ですが、今から東九州自動車道や
九州横断道路が出来れば、日之影町と外部のアクセスはぐっと良くなるので日之影町に来る人も
増えやしないかと今後が楽しみです。
宮崎から日之影の帰路にふと思い。
魅力とは
先日、八戸地区を車で走行中、道路脇で涼むどこかで見たことのある御老人を発見。
御存じの方います?
そうです!国の「現代の名工」に認定されている廣島一夫翁その人ではありませんか!
あ、ご存じない方のために少し解説すると、廣島翁は、日之影町の竹細工職人で、その作品は
日本の古来からの民具として貴重な資料となっているほか、その芸術性が高く評価され、東は
米国スミソニアン自然史博物館から西はイギリス大英博物館にも収蔵されているという、日之影
町が世界に誇る職人なのです。
実は私も竹細工の名工の廣島翁のお名前だけは知っていたのですが、詳しいことは知りませんで
した。日之影町に赴任する前後に県庁で廣島翁と関わりのあった先輩や役場の人から、
あの人は素晴らしい、言葉が心に響くという話だけしか聞いたことがなくて。
迷わず車を停めましたね私。
福 「廣島さんの竹細工は外国人も認めるほどの芸術品ですよね、やはり修練の賜物ですか?」
翁 「儂が作るのは生活の道具じゃからの。芸術品とは違う。時代が変わって、価値観というものが
変わって、竹の道具を使わんくなった。その文化や技が消えることを、ルイーズ・コートさんと
中村さん(共に廣島翁の竹細工の素晴らしさを世に伝えるために尽力した方。)が惜しんで
動いてくれただけのことよの。儂がすごいという事じゃないわの。」
翁 「それに職人に終わりはないとよの。職人が物を作り続ける限りは、それも修練じゃとよの。」
翁 「儂の作るもんは儂の型ができてしまう。でも作るのは生活の道具じゃからの。使う人が使い
やすい物をつくらにゃいかん。儂は今でも、使い手が喜ぶもんをもっと上手に作りたいと思うと
よの。それが儂の生き甲斐でもあるとよの。」
うーん素晴らしい!文章にすると簡単な言葉になってしまうのですが、やはり実際に聞いてみると
重みが全然違うのです。
廣島翁は15歳から竹細工を初めて80年。実際に経験を重ねて来た人の口から出るこの言葉は
実に心地よくしっかりと響くのです。
人とはかくありたいものだと思わせる何かがあるのです。文章でうまく伝えられないのが悲しい...。
おわかりでしょうが、廣島翁は現在95歳。目も耳も体も悪いところはなくお元気です。
八戸地区を通る方が廣島翁を見かけたら話してみてください。きっといい話が聞けると思います。
なお、廣島翁のここまでの人生、作品や、西臼杵地方に伝わる竹細工については、英語版と
それを和訳したものが出版されています。
興味のある方は、日之影町役場地域振興課(0982-87-3910)まで御連絡ください。
私がお話の御礼を言ってその場を辞そうとすると、廣島翁はおっしゃいました。
「儂の様な年寄りにとっては、貴方のような方と話をすることも生き甲斐やとよの。
こちらこそ、ありがとうございます。」
地域の魅力
私墓参りは先週済ませておいたので、日之影中央地区の夏祭りに参加しました。
中央地区にはありましたよ。珍しい風習が。いえいえ精霊流しじゃありません。
精霊流しは県内でも各所で行われていますが、日之影町中央地区ではそれに加えて、
提灯などで飾った和舟を五ヶ瀬川に流します。
しかも船には花火やら爆竹やらを乗せて火をつけて。
こんな感じ。
由来は...不明でした。舟は初盆のお宅で作られるもので、昔からやっているとのこと。
けれど精霊流しに加えて、こんな船が川面を流れていく様は、他では見られない隠れた
魅力だと思います。この舟の数だけ悲しみがあるということにはなるのですが。
さて、その後は役場前の広場で盆踊りです。
夏の気分を楽しもうと私は御近所の方から浴衣を借り、日之影音頭やばんば踊りを輪になって
踊りました。私は櫓の上で太鼓まで叩かせてもらい、酔いも手伝ってい~気分。
祭りはいいですね。住民同士のふれあいというか、気持ちが一つに。...なったかな?
しかし、やはり人は少ないのです。役場付近の中央地区こそ商店等が多かったせいもあり、
今は閉店、シャッターの降りているところが多いので。
日之影中央地区も下から見上げる青雲橋の偉容とか、五ヶ瀬川の清流など、いろいろな魅力が
あるのですが。
そういう訳で、次の機会に中央地区活性化のための商店街の取り組みについて御紹介しますね。
感じる
今日は暑かったですねー!
これ以上ないくらいの夏でした。夏といえば...そう夏祭♪。
で、今日はいきいき集落の一つ、長谷川地区夏祭りに行ってきました。
集落の若者が出店やってて、子供たちがいて、おじいちゃんおばあちゃんがいて。
そんな長谷川夏祭ですが、そういう風景って実は最近までなかったらしいです。
ん?ではこの祭の賑わいはどうして?
教えてくれたのは「長谷川わけもん会」会長の工藤建樹さん。
「昔からあった祭は過疎化で一時期やめていた。4,5年前に公民館が主体で復活させて、
それが地元消防団主体に移り、2年前からわけもん会でしてるよ。こういう祭があるって事
を子供たちに覚えておいてほしい。長谷川には楽しい祭があって、賑わっていたという思い
出を持ってもらえれば、その子供が成長しても、祭の時にも帰ってきたりここで暮らしていこう
という気になるかもしれない。」
なるほど!子供の時にそんな思い出があれば、どこにいったとしても地元への愛情・愛着を感じて
もらえるかもしれません。そういう想いを持ってもらうことも過疎化対策という気がします。
「長谷川わけもん会」をはじめ、地域の温かい想いを感じました。
それで、これなのですね。
これはお盆で帰省している人には嬉しいと思います。よそ者の私でさえもこれを見て少し
ほっとしました(*^_^*)。
しかし、こんな楽しい祭りの最中にも、こんな光景が。
地元消防団による夜警です。そういえば、長谷川地区で構成する日之影町消防団第13部は、
以前、全国繰法大会7位の実績をもつ栄誉ある消防団でした!
週に一回は夜警を行うそうです。さすがです。そういう意識の高さには脱帽です。ここにも
地元消防団のプライドを感じました。
こうして祭りの夜は更けていきましたが、いつまでも長谷川地区にこの笑顔が続くといいですね。
多いと
盆の入りです。
日之影町でも県外ナンバーの車を多く見かけます。
めいめいが帰省して墓参りやら同窓会やら充電をしているのでしょう。
バス停で迎えを待っている人とか、縁側で談笑している家族連れを見ると少しほっとします。
ただ、県外ナンバーの車が多いのを見て、やっぱり町外から出て行っている方々も多いのかな
と思いました。
過疎化が進行し、集落が消滅してしまったら、こうやって県外とか町外在住の人たちが帰省する
場所もなくなってしまいます。
県外、町外の人も、帰省するたびに寂しくなる故郷をみたら悲しいでしょうね。
盆の入りということもありしみじみと。
意外と
では、日之影町の由来、私の事は知ってもらえたので、今日は集落の人にスポットを
あてていきます。
今日は9月に予定している中山間ネットのいきいき集落公開に向けて、いきいき集落の一つに
行ってきました。
集落は、古くは江戸時代から続く蔵、塀、田んぼに囲まれています。
よく作ったなぁと思いますよ、実際。昔は重機とかなかったからすべてが人力だったんですよね。
そうやって昔の何とかしようという努力が今の集落を形作っていて、
今でも集落の人はそれを利用しています。御先祖様の恩恵を感じながら。
さて、何に囲まれているでしょう?
答えは石垣。
集落はほとんどが石垣で形作られていて、日本の棚田百選に選ばれている集落です。
どこか、どんな風景ははまだ先にとっておきますね。近いうちに中山間ネットで紹介しますので(^_-)。
さて、話は戻り、集落の代表者の人のお宅にお邪魔したのですが、お盆前で提灯が並んでいたのに
加え、一生懸命「精霊棚」なるものを作っていました。餓鬼をとどめておくものだそうです。
どんなものかというと、
左側の竹と木で出来ているものです。私の実家ではこういうのはなかったですね。
代表の坂本博さん夫妻が、昔の話をしてくれました。
「昔はお盆の時は沢山人が家に帰ってきてな。40人ぐらいで座敷に寝たこつがある。
難儀してなぁ。大変じゃった。」
確かに人が沢山くるというのは大変なことですよね。もてなしというか、世話を焼かなければ
いけないので。奥さんも苦労したと思います。来るだけだったら簡単ですけど。
しかし...博さん、大変だったという割には意外とお顔が嬉しそうでしたよ♪
やっぱり人が来てくれるというのは悪いことではないですよね。
日之影
さて、昨日は日之影の由来を知ってもらいましたので、私の事を。
私は宮崎市出身で、生まれは昭和・・・と、私の場合は由来からは必要ないですね。
私は4月から日之影町役場の地域振興課に勤務しています。
詳細な自己紹介は日之影町役場HP、左側の「広報ひのかげ」のコーナー5月号に載せていますので、
御参照のほどを。その他日之影町の情報もたくさんありますので(^o^)。
話は変わりまして、今日はこれから公開される「いきいき集落」の紹介コーナー作成のため、
いきいき集落の一つに行ってきました。
今日は夕方から激しい雨が降っていたのですが、帰る頃になって日之影(雲間の日差し)が。
美しい。思わず見とれてしまいました。
ここから少し右に視点を移すと、
まちの名は
こんにちは!
日之影町駐在の福留です。
私、元来内気な性格でとてもブログなぞ書けるような人間ではないのですが、今日からこのコーナー
で日之影町の魅力、日之影町に住む人たちの考え、現状などなど、皆さんにお伝えしていこうと思い
ます。
このブログを通して多くの皆さんに中山間地域のことを知ってもらえるといいですね。 私視点なの
で、んん?ということもあるかとは思いますが、その点は御容赦を。
さて、早速ですが、日之影の由来って御存じですか?
①山々に囲まれてて太陽の光が陰る土地だから日の影?
...日之影町に来たことある人にはそれらしく思えるかと。でも違います。
②赤影とか日之影とかそういう忍者のいる里だったから?
...個人的には好きですこういう発想。でも違います。
正解は、神話の中の「三毛入野命(みけいりのみこと。神武天皇の兄)の鬼八退治」にありました。
高千穂郷で鬼八が住民を困らせているというので、神武天皇と共に東征された三毛入野命が
鬼八退治に高千穂に戻られる途中、鬼八が大雨を降らせて川を増水させ進路を阻もうとした。
命は非常にお怒りになり、空を仰いで天の神にお祈りになった。
すると不思議にも今まで降りしきっていた雨がはたとやんで、「日の影」(雲間の日差し)が差
し始めた。「なんとありがたい日の影か。」やすやすと川を渡った命は見事鬼八を退治された。
それ以来、日の影が差したこの地を「日之影」と呼ぶようになったという。
日之影という地名は神話に基づく由緒ある地名なんですね。私もこっちにくるまで知りませんでした。
正直、「日之光」の方が明るい感じでよくないかと思ってたくらいで。反省。
さて、この伝説を現代に置き換えると、現代の鬼八は「過疎・高齢化」でしょうか。日之影町は高齢化
率が40%を超え、県内トップクラスの過疎地域です。町土の90%が山林原野の緑豊かな土地なの
ですが、その山林に点在する集落も過疎・高齢化で以前は集落単位で行われていた道路の管理や
冠婚葬祭などを営むのがとても厳しく、困っている。
では、三毛入野命は?それは山間部に住む人たちであり、都市部に住む人たちだと思います。
山間部に住む人たちが山の暮らしを営み、山を守り、その恵みを都市部にも振り分ける。
都市部に住む人たちもその恵みに感謝し、それを消費することによって山間部の暮らしを支える。
その共同体が三毛入野命だと。
残念ながら、現代では天に祈るだけでは鬼八は退治できそうにありません。
三毛入野命が一丸となって交流を深め、連携してそれぞれが出来ることをしなければ。
日之影町に日の影を。そして見事、鬼八を退治しましょう♪